PNB-INSPiRE Ethical Fund 1 投資事業有限責任組合（PIEF）およびインスパイアインベストメントの出資先であり、米国の公益法人でインターネットを含む電気・情報工学分野の技術標準化機関であるIEEE（アイ・トリプル・イー）が2024年中にIEEE 802.11.bfとして標準化予定のWi-Fiセンシング技術を開発するベンチャー企業Origin Wireless社 (OriginAI™、（以下「OW」）は、株式会社村田製作所（以下「村田製作所」）と共同で、OWのWi-Fiセンシング技術を活用した画期的な車載CPD（「車室内幼児置き去り検知」）装置（以下、「本製品」）の商用化に成功したことを発表しました。日本で初めての本製品は通園バスに搭載され、今後車室内での幼児置き去り事故の防止に向けて運用される予定です。

OW社長兼CEOのスペンサー・メイドは「当社は革新的な技術ソリューション分野のリーダーである村田製作所との提携を継続し、自動車の安全性を高める上で大切なで幼児の存在検知技術進歩を共に切り拓いていくことを喜ばしく思っています」と述べ、「わたしたちの協業は、当社の最先端AI技術と村田製作所の世界トップクラスの電子技術を組み合わせることで潜在的な危険を検知するのみならず未然に防ぐソリューションを創造し、最も弱い立場にある乗客の安全を確保するものです。本提携を通じて当社は革新的な技術を活用した全世界の課題への取り組み、社会への貢献をさらにコミットしていきます」と語っています。

本製品は、車室内Wi-Fi電波を活用して、幼児の微細な動きを検出し、幼児の存在を検知する装置です。電波の反射変化を利用しているため、毛布で覆われている、床にいる、座席の下にいるといった、目視確認が難しい状態であっても検知が可能です。

本製品の開発にあたっては、車載用に最適化された信頼性の高い村田製作所のWi-Fi通信モジュールと、Wi-Fi信号を存在検知センサーとして利用するOW独自のWi-Fiセンシング技術が採用されています。車載カーナビゲーション・システムやTCU（トランスミッション・コントロールユニット）にすでに装備されているWi-Fi電波を活用できるため、いずれかの機器にOWのソフトウェアをインストールするだけで幼児の存在検知が実現します。

幼児存在検知の仕組み

昨今、車内に取り残された幼児が死亡する置き去り事故が大きな問題となっており、再発防止に向けた早急な解決策が求められています。米国では1990年以降少なくとも1,093人、毎年平均で38人の幼児が車内に取り残されて熱中症で死亡しており、CPD「幼児置き去り検知」機能の搭載が、全世界の自動車評価機関の評価基準に含まれています。日本では通園バスに対する安全装置の装備を義務付ける関係府省令等の改正が2023年4月1日に施行されております。村田製作所はこのような社会課題を解決するため、通信分野で培ってきた知見をもとにOWと提携し、独自の技術を活用したソリューションの開発を進めてきました。

2022年12月より、村田製作所は通園バスの広い車室空間においても本製品で漏れなく幼児の置き去りを検知できるかどうか検証するため滋賀県野洲市と共同で実証実験を実施、このたび実証実験が完了し、2024年6月3日から野洲市通園バスでの運用を開始しました。Wi-Fiを活用した車室内置き去り検知装置の運用はこれまで国内では例がなく、今回が日本初の取り組みとなります。

OWは今後も村田製作所との協業を続け、両社独自の技術を用いたソリューションの提供を通じて、社会課題解決に向けて取り組んでまいります。「車内の置き去りをWi-Fi電波で検知するソリューション」については、こちらをご参照ください。

OriginWireless社プレスリリース

村田製作所プレスリリース（英語）

村田製作所「野洲市通園バスでの本製品の運用を開始」プレスリリース

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