PIEF出資先のGreen Earth Institute株式会社(GEI)は、DIC株式会社(DIC)とバイオプロセスによるβ-アラニン(バイオβ-アラニン)の商用生産のため、2022年3月25日、バイオβ-アラニンのライセンス契約を締結致しました。
β-アラニンは、健康機能食品分野においてはビタミン中間体やサプリメントに使用されている他、パーソナルケア分野では界面活性剤に、また医療分野においては医薬原料、その他飼料添加剤など、幅広い分野で様々な製品に利用されている化学品です。米国では、スポーツ選手やボディビルダーなど向けに利用されており、筋肉繊維の保護や筋肉の疲労回復時間の短縮が期待されています。また、日本国内では 2019年3月22日の「食薬区分」改定(厚生労働省) に伴い、非医薬品リストに収載され、サプリメントとしての使用が可能となりました。スポーツ分野だけでなく、加齢に伴い筋力や身体機能が低下するサルコペニア対策面から重要が近年増えており、今後、日本国内でも需要が高まると予想されます。
世界のβアラニン市場はサプリメント製品だけで2020年に972百万米ドルとなっており、2021年から2027年までの年平均成長率は12.5%とされている化学品です。現在流通しているβ-アラニンの多くは、 石油を原料とした石油化学製造プロセスで生産されており、生産効率の高いバイオプロセスによるβ-アラニンの製造拡大が望まれています。
GEIは、DICと発酵生産によるバイオβ-アラニンの研究開発契約を2020年3月1日に締結し、菌体開発と発酵生産プロセスの開発をするとともに、事業化についての検討を行って参りました。今回の契約締結は、開発段階から商用段階に移行するため、GEIが保有するβアラニンに関する知的財産権等をDICにライセンスすることにつき、合意に至ったものです。
GEIは、「グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む」を経営理念(ミッション)として、様々な化学品のバイオ化に取り組んでおり、今回のDICへのライセンスを通じて、βアラニンについてもバイオ由来製品の社会実装を進め、脱炭素社会の実現に貢献して参ります。
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